第41話 襲来
第40話のおさらい
地下に落ちたエマ達は天井を支えるようにして聳え立つ”木”を見つける。
ふと天井を見ると、木が無数に伸ばす根は動物の干からびた死体を吊るしている。
根が蠢くその様子からエマはミネルヴァの残した冒険記の一説「アルヴァピネラの蛇」を思い出す。
エマは、今置かれた状況が「アルヴァピネラの蛇」の内容に似ていることから冒険記は農園の外の世界のガイドブックだったと直感する。
レイはエマの言葉に戸惑いながらもそれを確かめるために”木”に向けてコップを投げつける。
根の壁に触れた瞬間、根が触手のようにコップを攻撃する。
レイはその様子から根が動くトリガーが”接触”であること、今自分たちの目の前にあるのが「アルヴァピネラの蛇」であることを確信する。
根がジワジワと迫ってくるのに恐怖する子供たち。
エマとレイは”木”に向かって歩いていき、その手前で立ち止まって子供たちに振り返る。
接触さえしなければ何も問題がないことを身を以って証明したことで子供たちの恐怖が薄らぐ。
率先して登るエマのあとに子供たちが続く。
天井にぶら下がり、根を引きちぎるエマたち。
すると、天井に空いた穴から冷たい風が流れ込み、エマ達の下からジワジワと触手のように伸びてきていた根は途端に動きを止める。
外気が流れ込んだ結果”木”は動きを止め、エマたちは脱出に成功する。
喜ぶ子供たちをよそに、エマは地上に不穏な気配を感じるのだった。
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第41話 襲来
地上へと生還出来て喜ぶ子供たち。
そんな中、エマだけが周囲に漂う不穏な空気に気付いている。
耳を澄ますと森の奥からズズッと微かに音が聞こえる。
確かめるために音のした方向に走るエマ。
子供たちはエマが突然駆け出したことに驚く。
木の陰を確認するが、何もない。
エマは自身に向けて、気のせいか、と言い聞かせる。
そんなエマを傍らで男の子が不思議そうに見つめている。
登って来た穴を覗いている子供たち。
根が寒さに弱いから動きが止まったのだ、と会話しながら理解する。
最初に落ちた所よりも寒い、と震えだす子供たち。
同じ森の中でこうも気温が違うなんて、と上を見上げる。
日の光が入ってこないからかしら、と同じく上を見上げる女の子。
日光が射さない内は動く根に襲われる心配はない、とエマに確認するギルダ。
多分、と答えるエマ。
ドンは無邪気に今が冬であることを喜ぶ。
開いた本を見ながら、いや、と答え、本を指差す。
記述によれば、冬にしか地下は開かないという。
本の開いたページを凝視して沈黙するドン。
冬じゃなきゃ良かったわね、とギルダがドンの肩に手を置く。
「でもおかげでわかった」
1.「外」が未知であること
2.本の意味
エカが笑顔でまとめる。
手引書か、とドン。
書物の情報に希望を見出す
エマが笑顔で同意し、「外」で生き抜くためのヒントが物語の中で暗喩という形で教えてくれているのだと確信する。
「『危険』と『対処』 『敵の弱点』」
レイが周囲で何かを探し回っている。
「――それから」
何かを発見したレイはエマに、こいつがそうだ、と呼びかける。
玉ねぎのような物体をじっと見つめる子供たち。
何これ? という声に水だと答えるレイ。
驚く子供たち。
レイは真水を貯め込むイソギンチャクの話がウーゴの話に出てくるんだと説明する。
イソギンチャク? と顔をしかめるドンに、見てな、と蓋つきのビンを近づけてナイフでイソギンチャクを傷つけるレイ。
イソギンチャクについたナイフの傷から水が飛び出し、ビンに溜まっていく。
レイは、イソギンチャクはこの植物の譬えで、本の記述通りなら水は飲める、いちいち川まで行かなくていい、と説明する。
未知の環境で困るのは食料と水であり、何が食べられて何が毒なのかがわからないのが本の情報のおかげでわかる、と続けるレイ。
ドンが笑顔で本の表紙を見る。
(すげぇ)
(この本……この人 ウィリアム・ミネルヴァ!!)
「外」は確かに危険がいっぱい、知らないことも敵も予想より多い、とエマが皆に呼びかける。
「でも大丈夫 私たちは一人じゃない」
「家族がいる 味方もいる」
「ミネルヴァさんに会いに行こう」
笑顔でエマの話を聞く子供たち。
「生き抜こう まずこの森を抜けよう」
先へ進もう、と笑顔で呼びかけるエマ。
オオッ、と返事をする子供たち。
ペン型ナビの暗号
森を進んでいく子供たち。先行するドンがエマに方角を確認する。
うん、と片手を上げるエマ。
地下にいる間に少しズレた、とミネルヴァのペン型のナビを映し出して確認する。
フクロウの絵の上に「B00-15」と表示されている。
それを見て、なるほど、それは現在地か、と言うレイ。
B06-32も、B00-15も座標で、数字は左が南北で、右が東西への距離であると看破する。
脳内で図面を描くレイは、東寄りの南に向かっているわけだ、と呟く。
(合ってる……)
「怖っ!! 何そんな一瞬で…!! 怖っ!!」
エマがレイの頭脳に若干引き気味に驚く。
ここまでヒントがあればわかる、と、レイは事も無げに言う。
この数字はハウスではアルファベット無しの00-00だったというエマ。
なるほど、と即理解するレイ。
さっきより少し北に戻ったのか、と現状をまとめる。
続けてレイは、どうやってこれが位置だと知ったのかとエマに問いかける。
「そもそもなぜ『B06-32地点へ向かう』って…? なぜそこにミネルヴァが…」
エマは口を噤んだまま、レイをじっと見ると、はい、とペン型のナビをレイに差し出す。
「ノーマンが『ペンと見ればわかる』って」
「わかんなければ『レイに見せればわかる』って」
つまりエマはわかんなかったんだな、とペンを起動させるレイ。
エマは眉をひそめて、途中まではわかったよ、と答える。
レイはフクロウの絵の周囲のモールス信号を解く。
“touch me”(私に触れよ)と言う暗号に従ってフクロウの絵を触る。
“13-18-02″という数字の並びの下に入力フォームがあり、フォームの下に”0123456789″と表示されている画面になる。
私もそこまでは開いた、と言うエマ。
レイは、エマはこういうの苦手そうだからな、と呟き、すぐに。そうか、と気づく。
エマは、やっぱりわかるんだ、と驚く。
レイは、もう一冊のモールスの無いマークの神話の本がペンの暗号書(コードブック)だと看破する。
コードブック? と呟くエマに、レイは同意する。
レイはフクロウを指さし、モールスのないマークがあるだろ、とエマに問いかけ、この本を鍵に暗号を解くんだと答える。
続けて、13-18-02は暗号で、本の13ページ18行2単語目の『HUMAN』(人間)をレイが入力する。
画面が遷移し、メッセージが表示される。
“助けがいるなら訪ねておいで”
“B06-32地点に私はいる”
“ウィリアム・ミネルヴァ”
そこまで読み上げたエマが、ミネルヴァからのメッセージだと笑顔になる。
異形
ノーマンはこれを見たのだろう、と言い、レイは、次の暗号を解こうとして何かの気配に気づきペンを仕舞い、本を閉じる。
同じく周囲を伺うエマが、ねぇレイ、と呼びかける。
レイは、何か来る、と答える。
他の子供たちも気づくほどの地響きが森を揺らす。
「嘘だろ……またなの!?」
木が割れる。
突如現れた異形の怪物が大顎を開いてエマ達を襲う。
「逃げろ!!」
エマ達は怪物から必死に逃げる。
感想
生き残るためのヒントが詰まった情報源を手にしていることを自覚し、明るくなる子供たち。
未知の危険でいっぱいの「外」で前向きに進んでいこうとしていた矢先、こんなとんでもない怪物からの奇襲を受けてしまうとは……。
こんなデカイ顎に食われたらまず一撃で死ぬだろう。
しかも幼い子供たちの走力ではとても逃げ切れるとは思えない。
こりゃ、誰か犠牲になりそうで怖い。
事前にこの怪物のことを知っていたならまだ対策も立てられたかもしれないけど、これは本当にただの奇襲だから、ひたすら逃げるしかない。
怪物を撃退する攻撃手段になり得る可能性があるのはミネルヴァのペンくらいなものか。
正直武器を持っていなければ戦闘訓練を受けたことも無いエマたちは、まともに戦ったら絶対に勝つことはできない。
どうやってこの窮地を切り抜けるのか。
折角暗号の解き方が分かり、新しい情報が得られていたのに、まさかここでやられてしまうことは無いだろう。
メタな視点から言えば、どうにか切り抜けるんだろうけど犠牲は出てもおかしくないんだよなぁ。
以上、約束のネバーランド第41話襲来のネタバレ感想と考察でした。
次回第42話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。
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