九龍ジェネリックロマンス 第16話
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九龍ジェネリックロマンス 第16話 感想
作品を見ているかのような蛇沼
いよいよ鯨井さんの核心に近づいてきたのを感じる……。
やはり蛇沼が物語に関わってきた。
それも彼を敵視していた工藤さんの勘は今のところ正しかったように思える。
鯨井さんもさすがにこれだけ情報を得れば、自分で気づいてもおかしくないだろう。
帰宅後、遅かれ早かれ結論に達しそうな予感がする。
鯨井さんの顔をチェックしていた蛇沼の感想は、まるで作品に感動しているようだった。
いよいよクローン説がより現実味を帯びてきたように思う。
アンドロイドという線も消しきれないけど、蛇沼のシワの話でそう強く思うようになった。
蛇沼関連の企業が作ったクローンということでほぼ確定なのではないか。
最初から刻まれていたかのような、歴史が見えないシワ。
それはつまり、鯨井B(本物の鯨井さん)のシワ、つまり肉体年齢がそのまま再現されているという事だ。
蛇沼は、その高い再現性を前にして、思わず喜ばずにはいられなかったのだと思う。
優待枠で来ているのがわかっていればメールアドレス以外の個人情報は必要ないというのもあからさまなヒントだな……。
十分というのは、つまり”製造元だから分かっている”ということではないか。
製造したクローンに対しては優待を送付するとか、上手い手だなと感じた。
クローンの状態を確認するのにこんなに自然で効率的な方法はないのではないか。
今回の話では随分と邪悪な印象を受ける蛇沼だが、まだその目的が分からない以上、完全に敵役、嫌な役のキャラであると決まったわけではない。
舌なめずりとか悪い表情とか、物語を盛り上げるためのミスリードである可能性があると思う。
というかそういうの大好物だから期待している。
クローンを依頼したのは……
ひょっとして、工藤さんが鯨井さんのクローン作成を依頼していたのだろうか。
工藤さんの鯨井さんへの接し方を見ていると何かちょっと違う感じがする。
クローンであること自体は知っているけど、それ自体は好ましく思っていないような……。
かつての鯨井さん(鯨井B)と人格、性格が似ていない点は、一つ工藤さんの心に引っかかっているポイントだと思う。
その姿が似ていれば似てるほど、中身の決定的な違いによって鯨井Bの不在を嘆いているような……。
そもそも鯨井Bはどうなったのだろう。どこで何をしている?
死んだと思ってしまいがちなのだが、まだ死は確定していない。
本物が生きていてもクローンは作れるはず。
仮にどこかで生きていたとしたら、彼女は工藤さんの前から姿を消したと言うことになるのか……。
色々と情報が出てきたけど、先なんてとても読めない。というか先なんて読まなくても良いんだよな……。
また二週間後か……。
この先、鯨井さんが自分と鯨井Bに関して、どんな真相を探り当てるのか楽しみ!
以上、九龍ジェネリックロマンス第15話のネタバレを含む感想と考察でした。
第17話に続きます。
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