響 小説家になる方法 最新第109話変わらないものネタバレ含む感想と考察。ケンカから1カ月。『お伽の庭』漫画の連載と雛菊創刊はどうなったのか?

響 小説家になる方法 第88話 響

第109話 変わらないもの

第108話のおさらい

週刊少年スキップコミック編集部では、幾田の机から消えた漫画『お伽の庭』第1話原稿のために同僚が協力して探し回っていた。

しかし幾田のスマホに鏑木から、自宅で原稿を見つけたという連絡があり、捜索は終了する。

安堵した幾田は、原稿を受け取りに鏑木の自宅へと向かう。

響と鏑木の喧嘩は、マウントポジションをとられて首を絞められている響が敗色濃厚だった。

鏑木からギブアップをするよう促されるも、薄く笑ってそれを拒否する響。

鏑木は勝利を確信し、響の行動の動機を言い当てようとしていた。
そして、自分もまた響と同様に世の中にケンカを売りたいのだと主張する。

響はそれを聞きながら、薄く笑っていた。
パーカーのポケットからスタンガンを出し、鏑木の左脇腹に当ててスイッチを入れる。
それは鏑木の仕事場に会った資料用のスタンガンだった。

 

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鏑木は強力な電気ショックを食らうも、果敢に響に喉輪をかます。

互いに電気を食らう時間が続くが、やがて崩れ落ちたのは鏑木だった。

自分に覆いかぶさるようにして倒れた鏑木の体をどかし、立ち上がる響。
「……私の勝ち。」

鏑木の自宅に原稿を取りにやってきた幾田は、鏑木に庭に呼ばれる。

庭に向かった幾田が見たのは、封筒の入った一斗缶を鏑木、響、花井、七瀬が囲んでいる光景だった。

響は約束通り、原稿を燃やすべくマッチと油を手に一斗缶のそばに近寄っていく。

 

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そして、ケンカ中に鏑木から問われたことに答える響。
「私は私、読んでほしいお話を書くだけ。」

状況が分かっていない幾田や、原稿を燃やすことまでしなくても、という七瀬を無視して、響はパラフィンオイルを一斗缶に向けて傾ける。

「……ごめんね。」
それは鏑木ではなく、原稿に向けての響からの謝罪だった。

迷いなく火を点けたマッチを投じる響。
一斗缶の中の封筒に入った漫画『お伽の庭』の原稿はすぐに燃え上がる。

その場にいる誰もが、一言も発することなく原稿が燃えていく様を見つめていた。

 

前回、第108話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

 

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第109話 変わらないもの

琴子の説得

収録中に響に殴られた場面を使って欲しいと番組制作のトップたちを説得する琴子。

アイドル番組だからとあまり琴子の提案に乗り気ではない様子に、琴子は編集で何とでもなると反論する。

琴子以外のアイドルたちが引いているという意見にも、だからこそなかったことにして続けるのは無理だと琴子は一人、食い下がり続けていた。

琴子は、響に殴られたことを突破口にして、仕事に繋げたいと訴える。
これは自分で手繰り寄せた、何十人のグループの一人という立ち位置から、一気に世間に知られるためのチャンスなのだと必死で説得を続ける。

放送

琴子の説得が実り、響に殴られたシーンがテレビで放送されていた。

ちょうど茶の間でその番組を観ていた響の父と母。

インタビューに答える琴子。
お互いに拳で語り合うほど、響とプライベートで親交があると説明し、響にリベンジを誓ってみせる。

それを見て、友達どうしなのね、と納得し、安心する響の母。

今の子に頼めば響もアイドルになれないかな、という妻からの能天気な質問を受け、考えただけで恐ろしいと響の父。

 

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1カ月経過

鏑木紫の仕事場。

ケンカから1カ月が経過していた。

鏑木の元に来ていた幾田は、鏑木が響とやった本気の殴り合いを思い出し、カッコ良かったと呟く。

何言ってるか全然わからない、小学生か猿と変わらない、知能0だ、と幾田。

そんな幾田の様子から、なんか怒ってる? と問いかける鏑木。

幾田は、よく僕が怒ってないと思えますね、と言って、今自分が読んでいるのは本日発売の、響が燃やした原稿が載る予定だった号の週刊スキップだと続ける。

「だから謝ろうと思ってさ 負けてごめん。」
特に悪びれた様子もなく謝罪する鏑木。

 

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進む受験対策

北瀬戸高校。

世界史だが、自習の時間になり、花代子や涼太郎はそれぞれの勉強に励んでいた。

進路指導室では教員と響が一対一で英語でやり取りをしていた。

響は教員からの英語での質問にスムーズに答えていく。

フィンランドに行く為にバイトをしたという響からの返答に、教師は驚き、思わず日本語で、本の印税があるのでは、と質問しかける。

「What?」

英語でやりとりするということでブレない響の態度に、教師は気を取り直して英語で質問し直すのだった。

教師が発音を評価したのを受け、サンキュー、と響。

 

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中原と響

中原愛佳が働いているパン屋『麦わらぼうし』。

中原は客のおばあさんから指輪をしていることを指摘され、2週間前に籍を入れたことと答える。

おばあさんとのこの話に関するやりとりは初めてではないと言いつつ、良いお嫁さんになるというおばあさんに対して、中原は笑顔でありがとうと返すのだった。

中原は柚木図書館前で響と待ち合わせていた。

中原が籍を入れたことを知っていた響は、いつもの癖で、中原、と呼んだあと、川田、と訂正する。

中原は、前からの友達はどちらでもいいと言って、中原は自分の人生でペンネーム以外で苗字が変わると思わなかったと感慨深げにつぶやく。

そんな中原に、幸せそうね、と声をかける響。

仕事は大変だが好きな人と一緒だし、幸せだと中原。
「2年前までは想像しなかったな、自分にこんな未来があるなんて。一人でずっと小説書いて、そのまま一人で死ぬと思ってた。」

「本当に狭い世界で生きてたんだな…」

 

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店頭

響と中原がやって来たのは田中書店という本屋だった。

目当ては、売り場のもっとも目立つ場所に、見るからに力の入ったディスプレイで売り出されていた雛菊だった。

響の新連載『青の城』や、50年ぶりに創刊された文芸誌といったポップが飾られている。

雛菊を一冊手に取り、息を呑む中原。
そして、本当に純文の新雑誌が出たんだ、と呆然とした様子で呟く。

中原は、自分が書いていた2年前には文芸は売れないことが普通で、ブームなど想像できなかった、業界自体がなくなるのではないかと思っていたと言って、すごいね響ちゃん、と響に視線を向ける。

うんすごい、という響からの淡白な答えに中原は笑顔を浮かべる。
(たった一人の才能が世界を変える。そんなことが本当にあるんだ……)

 

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響から、また書いてみたらと言われた中原は、無理、と即答する。
「狭い世界でひたすら自分を深く深く掘り下げる。私にとっての小説はそういうものだから。」
そして、今の自分には『新米パン屋のポンコツ日記』みたいな、つまらないものしか書けない、と続ける。

つまんなそう、と笑う響。

「私はもう小説は書けないよ。書きたいものがないからね。」

響は笑顔の中原をじっと見つめていた。

そして中原はその流れで、響は『千年桜』や『お伽の庭』のような面白い小説を書き続けて、私の憧れでい続けてね、と笑いかける。

その言葉を聞いて、響は少し前に漫画家と同じようなことを話した、と鏑木との会話を回想する。

 

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回想

「早く芽が出た奴ほど消えるのも早い。」
一斗缶の中で燃える原稿を前に、鏑木は響に語り掛ける。
「私はもうお前の情熱みたいなのは消えたと思ってたよ。負け惜しみだけどな。」

そして鏑木は、周りの漫画家を見ていても、生涯現役で死ぬまで天才でい続けたものはいなかった、と続ける。
「いつかは枯れる。お前も、私も。」

それに対し、多分自分には一生書きたいものがあり、それを書き続けるという予感がある、と響。
そして、鏑木の先輩がどうかは自分にも鏑木にも関係がないと言って、今言ったでしょ、と念押しする。
「私は私。それだけは絶対永遠に変わらない。」

その言葉に、笑顔を浮かべる鏑木。

 

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連載

響の回想を聞き、笑顔になっていた中原は雛菊の売り場の島の中にあった週刊少年スキップを一冊取り出す。
「今言った漫画家ってこの人? へー『お伽の庭』の漫画か 面白そう!」

「えっ?」
思わず声を上げる響。

鏑木は電話口で響に対してこともなげに、コピーを使った、と答える。

その言葉に、元がコピーだから解像度を上げたけどムダなあがきだった、と肩を落とす幾田。
「線が潰れまくってる。せっかくの連載1話目が……」

原稿を燃やすという約束は守ったろ、と堂々と居直る鏑木に、響は言葉を失っていた。

「それとも次は連載権かけてケンカするか? 次は一切油断しない。」

鏑木の提案に、もういい、好きにして、と響は折れる。

その流れで、印税などの契約に関して花井と話をつけておく、とついでのように言う鏑木に、響はまた、好きにして、と返すのだった。
「今わかった。私あなたのこと嫌いだわ。」

似たもの同士だからかな? と鏑木はどこか楽しそうに返す。

 

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感想

丸く収まった?

やはり鏑木は強かだった。

どうやら前回の感想で予想したことが当たったっぽい。
鏑木は響とのケンカで負けた際の条件に関して、あくまで原稿を燃やすだけであり、連載中止とは解釈しなかった。

でもまぁ、鏑木の『お伽の庭』は傑作で、その出来の良さは響も認めているようだし、丸く収まったと考えて良いだろう。

きっと滅茶苦茶売れるんだろうな。

そして売上と言えば、雛菊はどうなるのかな。

響の新連載に加えて、芥川を獲った山本の小説も載っているようだ。

響と中原が入った書店では雛菊が派手にディスプレイされていたので、雛菊が文芸の盛り上がりの起爆剤として期待されているということなのかなと思った。

花井は雛菊が失敗すればそれは文芸ブームのみならず、文芸そのものの終焉を意味すると考えていた。

果たして雛菊は成功するのか。

 

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時間経過

響の受験対策は着々と進んでいる。

小説の執筆も一段落し、英語の勉強にも力が入っているようだ。

そして、中原。
結婚して穏やかな幸せを掴んだ様子が伺える。
2巻で登場時の、著作が売れないことや、人生が停滞していることへの焦燥感で鬱屈としていた頃とはまるで違う。

響とも自然な交流があるようだし、良い感じの人生になっててよかった。

以上、響 小説家になる方法 第109話のネタバレを含む感想と考察でした。

第110話に続きます。

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