第78話 英雄
第77話のおさらい
塩沢上等兵がサタンの心臓を握り潰すも、サタンは死ななかった。
サタンの念動力による反撃で、塩沢上等兵、鬼頭軍曹、ヘフナー伍長は吹っ飛ばされる。
桃ノ木少佐は全隊員にもう一度小さくなってサタンの体内で巨大化する戦法を指示するが、サタンの念動力に捕まってしまった仲間たちは動くことができない。
桃ノ木少佐は単騎でサタンにの左肩辺りにある穴に向けて急降下する。
サタンが右手を握りこむ。すると塩沢上等兵の頭が脳症や血を撒き散らすことなく、ただ風船が割れてしまったかのように破壊されてしまう。
その直後、桃ノ木少佐がサタンを体内からぶち破るのに成功するが、サタンの念動力で破壊された塩沢上等兵と鬼頭軍曹は風船のようにしぼんでいくのだった。
サタンは残りの二人に向けて、右手の人差し指をクイと動かす。
吹っ飛ぶ桃ノ木少佐とヘフナー伍長。
そしてサタンは桃ノ木少佐とヘフナー伍長も内部から爆発させようと力を込める。
苦しむ二人の元に、パピコが空中からやってくる。
パピコは右手首のデバイスを操作しつつ、サタンに向けて巨大化しつつ落下していく。
パピコはサタンよりも巨大化し、サタンの両肩にのしかかる。
第78話 英雄
いつものサイズよりも遥かに巨大化したパピコが、サタンの頭上から落下し、踏みつぶす。
爆発したかのように舞い上がる河の水。
「やったか!?」
サタンが水中から出てこないことから、桃ノ木少佐が確認する。
「わかんない」
水面に目を凝らしていたパピコは何かに気付く。
「あっ あ あ…」
サタンが水面から起き上がり、念動力でパピコを持ち上げていた。
パピコは左手で右手首のデバイスを操作する。
さらに巨大になっていくパピコは、ついに念動力で支えきれなくなったサタンを押しつぶし、さらに両手でがっちりと捕まえるのだった。
パピコに両手で拘束され、反撃のためか、パピコに手を伸ばしていくサタン。
しかし反撃する間もなく、サタンは超巨大化したパピコによって、左右二つに引き裂かれ始める。
サタンは念動力を使い続ける。しかしパピコはもはやサタンの攻撃を恐れていなかった。
完全にサタンを素手で引きちぎることに成功したパピコは、サタンの身体を握ってしまった。今度はサタンの頭を掴み、引っこ抜く。バラバラの肉片となって、隅田川に降り注いでいく。
「終わった…」
「鬼頭…塩沢………」
左右それぞれの手のひらを見つめる桃ノ木少佐。
そこには生身の人間ではなく、まるでぬいぐるみのような玩具の人型があった。
塩沢上等兵も、鬼頭軍曹もあれほど流血していたはずなのに、人形になってしまうと血が出ない。
感想
今度こそ完全に勝利でしょう。
やはりデカイのは武器として強力なんだな。
サタンをブチブチと引きちぎるパピコの完勝っぷりに思わず笑ってしまった。
これは言ってはいけないのかもしれないけど……、最初からこのくらい大きくなっておこうぜ……。
というか、パピコはここまで巨大になれるんだな。デバイスには3952(もしくは3352? 3852?)と表示されている。単位はメートル? でもそれにしては周囲の高層マンションよりも遥かに大きい……。
パピコの身長の39倍かな? 仮にパピコが150cmだとして、その38倍は58m。それでもまだしっくりこない……。超巨大化したパピコは100m以上はあるように見える。だけど桁を一つ上げた600m近くとまではいかないか。
桃ノ木少佐やヘフナー伍長と比較しても10倍はありそうな、圧倒的な大きさだ。サタンは戦士たちよりも大きかったが、今のパピコと比較すると大して変わらない。
そのくらい圧倒的なパピコの力の勝利だった。
そういえば今更だけど、巨大化に何か代償ってあるんだろうか。これまでの話を見てきた限りでは、特にはなさそう。今回のパピコの超巨大化も何かしらのエネルギー、パワーを著しく消費しているという雰囲気を感じられないし、特に代償はないとしたら最初からここまで大きくなっておくべきだったんじゃないだろうか。
そうしたら塩沢上等兵も鬼頭軍曹もやられずに済んだかもしれないのに。
あと、未来から来た戦士たちもこれくらい大きくなれないのか?
同じデバイスがついているんだから同じことが出来そうなのに。
ただ、パピコが装備しているのは長嶋大佐から受け継いだ(勝手に手渡された)もので、特別な強化型だから、ここまで大きくなれるという可能性はある。
塩沢上等兵や鬼頭軍曹が、長嶋大佐の様に人形になってしまった。
これは彼らが元々人間ではなかったということなのか。
未来で生きているなら良いんだけどな……。
次回、そのあたりのことが桃ノ木少佐やヘフナー伍長から説明されることを期待したい。
世界を滅ぼす勢いだった強敵との死闘が終わったけど、次の敵はもっと強い奴だということだろうか。
だとしたら、パピコたちには悪いけど楽しみ(笑)。
以上、ギガント第78話のネタバレを含む感想と考察でした。
第79話に続きます。
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