第65話 出撃
第64話のおさらい
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作戦
パピコは自宅から駆け出していた。
デバイスに触れて、マンションの玄関から空に飛び上がる。
首都高のすぐ上を飛びながら、桃ノ木少佐は仲間たちに打ち合わせ通りの作戦でいくことを確認する。
それは鬼頭軍曹と塩沢上等兵がサタンの愛sもとで巨大化してタックルして転ばせて動きを止めた後、ヘフナー伍長と桃ノ木少佐が通常サイズでそれぞれ耳と鼻から侵入するというものだった。
空高く舞い上がったパピコは、戦士たちが向かったのか場所を必死で探す。
零の母は台所に立ち、何も置いていないカウンターの上で、何か野菜でも切るかのようにに包丁を動かしていた。
零の母は、カンカンと言う音を響かせながら必死に自殺衝動に抗う。
「どうしよう……どうしよう……」
自身を落ち着かせようと長く呼吸をする。
テレビは都内が自殺者の増加によりパニック状態であることを伝えている。
いつしか、零の母も自らの手首に包丁を当てていた。
「ごめんね……零…ごめんなさい…」
涙を流しながら許しを請う。
手首を切る直前、帰宅した父が母の手を止めていた。
「帰って来て……良かった…間に合った…」
サタンとの距離が近づいたのを察知した桃ノ木少佐は、鬼頭軍曹に囮の準備を促す。
鬼頭軍曹は、いけます、と力強く答えると一人道路に降りて、デバイスで巨大化する。
都内をブリーフ、ランドセル、ヘルメットを装備した巨人が走って行くのを、足を止めて見上げる民衆たち。
そして桃ノ木少佐、ヘフナー伍長、塩沢上等兵の三人は、サタンを視界に収めていた。
サタンの巨大な足が、都心で地響きを立てている。
「失敗は許されない!! 一発勝負だぞ!!」
二人に指示を出す桃ノ木少佐。
感想
ついに戦闘開始!
彼らの立てた作戦はおそらくパピコが編み出した敵の内部からの破壊という戦法を決定打に据えている。
つまり、通常サイズのままサタンの耳と鼻から侵入したヘフナー伍長と桃ノ木大佐が巨大化してサタンの内部から突き破るわけだ。
そのために塩沢上等兵と鬼頭軍曹が巨大化した状態でサタンにタックルして押し倒す必要があると。
果たしてうまくいくだろうか。
サタンの反応速度によっては、タックルの機会などないだろうし、さらに探知能力が高い場合、体内への侵入も厳しいかもしれない。
戦士たちにとって、パピコの戦法は目からウロコだったらしい。
それはアメリカで闘って敗れたヒーローも、サタンに対してとらなかった戦法であるはず。初めて目にした戦い方にサタンがどこまで対応するか楽しみだ。
戦士たちが誰一人欠けることなくこの戦いが勝利に終わることを期待したい。
戦士たちに遅れてサタンの元に向かっているパピコが到着する頃には、戦いが終わっていたらいいんだけど……。
もし継続しているとしたら最悪全滅している可能性もあるわけか。彼らのそんな結末見たくないな。彼らが初登場してからこれまで、一切彼らの戦闘シーンはVSチンピラくらいなものだった。基本的に彼らは麺類を好むかわいい人たちという描かれ方が印象的だった。
そのおかげで、死亡という形で物語から退場することはもちろん、傷ついてすら欲しくない……。そのくらいの感情移入は完了してしまっている。
しかしサタンはこれまで出てきた巨大生物の中でもとんでもない強さを秘めていると考えた方が良いだろう。
次回はのっけから戦闘になるだろう。それは、おそらくそう長くは続かないと思う。勝利か敗北かであると同時に、生きるか死ぬかだな。次回からの激しい戦闘シーンに今から期待大だ。
以上、ギガント第65話のネタバレを含む感想と考察でした。
第66話に続きます。
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