約束のネバーランド 最新第169話満点ネタバレ含む感想と考察。追い詰められても余裕だったピーターの誤算。

第169話 満点

第168話 創造主のおさらい

責任

鬼はヴィンセントたちがどこからシステムを乗っ取っているのか、その位置の特定に成功していた。

同時に鬼に気付かれたことをヴィンセントたちも察知する。

隠れることを提案するハヤトに、まだだ、あと少し、とヴィンセント。
ヴィンセントは自分たちが仕事をしくじることは食用児全体の敗北を意味することを知っていた。
「私は私のやるべき仕事をやりきる ――それまでは」
ヴィンセントパソコンのキーボードを叩き続ける。
「この場を離れん 絶対に」

スポンサーリンク



頷くナイジェル。

ハヤトも無言でヴィンセントを見守るのだった。

キーボードを打ち終えるヴィンセント。
「できた!」

ヴィンセントの作業によりシステムダウンが起こる。
それにより、鬼たちのシステムは暫くは動かなくなるのだった。

ヴィンセントはようやくその場からの退避準備にとりかかる。

スポンサーリンク



ピーターの一手

エマたちはピーターの元に急いで向かっていた。

目的の部屋に着き、銃を構えて扉を開け放つ。

しかし部屋はもぬけの殻だった。

エマとレイは予想外の事態に戸惑いつつも、部屋の中を探索しようとしていた。

ノーマンはこの部屋にピーターがいるという情報をくれたヴィンセントに無線で連絡をとる。

「やあノーマン 久しぶりだね」
しかし無線の応答をしたのはピーターだった。
「やるじゃないか」

スポンサーリンク



ピーターはノーマンを、ラムダの壊滅に始まり、女王・五摂家の打倒成功、王政の崩壊、さらにGFへの侵入など、食用児にしては上出来だと褒めてから勝ち誇ったように続ける。
「だが僕はそこにいない 映像はダミー 僕達の方が一手早かったね」

ノーマン、そしてエマとレイも黙ってピーターの言葉を聞いていた。

ヴィンセントたちの安否を問うノーマンにピーターは即答する。
「生きてここにいる」

その時、エマたちの部屋や、廊下を進んでいたオリバーたちの元に銃を持ったピーターの部下が現れる。
エマたちもオリバーたちもピーターの部下と銃を突き付け合い、緊張が生じていた。

スポンサーリンク



今まさにそういう状態だ、とピーター。
自分たちのところにいる5名は拘束された上で銃をつきつけられていると状況を説明するのだった。

「君達の負けだよ ”鬼ごっこ”は終わりだ」
そしてピーターはヴィンセントが落としたシステムの復旧が進んでおり、人質を守っている在庫保管室のロックが解けると勝利宣言する。
エマたちが眠らせた鬼も目を覚ますのに加えて、さらに3日前に王都でソンジュとムジカが囚われ、間もなく処刑が実行されると言われ、エマは青ざめていた。

スポンサーリンク



「邪血で助けた民衆たちも既に全て殺した」

「政権は我がラートリー家の”指導”の下 現四大農園と五摂家家臣団との合議連合体制で既に引き継いでいる」

「ラムダも復活させるよ」

そしてピーターは、今後、高級農園は全て潰し、代わりに全てラムダ型の新農園に一本化することで食用児に一切反抗を許さない平和な楽園にするのだと勝ち誇る。
「礼を言おう 君達のおかげで世界は変わる――図らずも僕の望む未来にね」

スポンサーリンク



ノーマンへの謝罪

エマたちは皆、完全に言葉を失っていた。

ヴィンセントの端末を操作していたピーターの部下はシステムの復旧完了と、残す作業はロック解除だけだと報告する。

しかし三重にかけられているパスコードに弾かれるのだった。

クク、とヴィンセントが笑う。
「さあ外してみろ こちらとて万一の事態如き想定済だ」

面倒だな、とピーターはヴィンセントに銃口を突き付ける。

「断る!」
ヴィンセントは、パスコードはすぐには外せない以上、自分に吐かせるしかないが死んでも教えない、と笑う。
「ボス! 皆! 聞こえるか!!」
無線越しにノーマンたちに呼びかける。
「そういうことだ!! まだ時間も勝機もある!! 終わりじゃない!!」
目の前の敵を撃ち、自分たちに構わず作戦を完遂させろと続ける。
「こいつらだけには未来を渡してはいけない!!」

スポンサーリンク



そしてヴィンセントは傍らのナイジェルに、悪いな、と謝罪する。

いいってことよ、と即答するナイジェル。

二人は覚悟が決まった表情をしていた。

「いやだ! 絶対全員で生き残るんだ!!」
ノーマンが叫ぶ。

ヴィンセントは心の中でノーマンを神格化することで甘えていたことを謝罪していた。
(あんたが強ければ強いほど自分も強くいられている気がした)

(そうだ 結局のところ私も”怖かった”んだ)

(最後は友としてあんたを勝利に導きたい)

ヴィンセントは不敵に笑って叫ぶ。
「これでいい! 進め! ノーマン!!」

パァン

ピーターはヴィンセントに向けていた銃の引き金を引くのだった。

スポンサーリンク



イラつくピーター

何が起こったのか理解し、青ざめるノーマン。

ヴィンセントは左の上半身に弾を受け、前に崩れ落ちる。

「うんざりだ」
ピーターはヴィンセントを見下ろす。
「なんでこうどいつもこいつも物解かりが悪いんだ なんでこうも僕に逆らうんだ」

「僕は食用児の父 創造主なんだぞ」

「農園がなかったらラートリー家がいなかったら家畜(おまえたち)は生まれてすらこなかったんだぞ」

「タダで食わせてもらって育ててもらって なのに農園に我々に刃向かい逃げ出し 挙句破壊しようとする なんて愚かで不敬なんだ」

スポンサーリンク



「反抗期にはもううんざりだ!!」
ついに沸点に達し、ピーターは目の前のナイジェルに怒りをぶつけるように叫ぶ。
「その目! その目もだ ムカツくんだよ! なぜ敗北を認めない!」
そしてナイジェルに銃を突きつける。
「もういい 所詮は不良品だ」
そして、全員殺せ、と部下に命じる。

しかし部下が動く気配がないのに違和感を覚えてピーターは背後を振り向く。

ピーターには、端末にもたれかかるように倒れている部下に何が起こっているのか理解できなかった。

「”パパ”? 笑わせるな」
オリバーはピーターの首元に、そしてザック、ジリアン、アイシェも少し離れて銃を突き付けている。

オリバーたちは密かにピーターの部下を制圧していたのだった。

「お前は俺達の父親じゃない!!」
オリバーはピーターに向けて毅然として主張する

スポンサーリンク



第168話 創造主振り返り感想

ヴィンセントの生死は

ヴィンセントが根性見せた。位置を特定されてもギリギリまでその場に留まり自分の責任を果たす姿には熱くなったわ。

しかしピーターは頭が回る男だった。
エマたちが向かった部屋にはピーターは不在。ピーターは自分の映っている映像をヴィンセントに読み取らせていた。
そして、エマたちの作戦の要となっているヴィンセント班の元に向かい制圧してしまう……。
その見事な対処法は、鬼たちとは一線を画している。

ピーターが言う通り、このまま鬼の合議連合が政府として定着したなら、ピーターが鬼の社会を裏から支配する体制が実現してしまう。

スポンサーリンク



以後、ラムダのみで造られる食用児には抵抗の意思など一切ない。
エマたちのような反抗は不可能になる。

当然これまで農園で食用児を育む役を負っていたママ役が不必要となるということは、その候補でもあったかもしれないエマたちはもちろん、他の高級農園にいる食用児たちも残らず鬼に食われるのだろう。

1000年にも渡る伝統と使命を負ったピーターには、内心ではそのような立ち位置に甘んじていることが我慢ならなかったのかな……。
王の死、五摂家の死を受け、それを自分の利益追求の好機としてすぐさま活かそうと動けたその背景には、ピーター自身に元々大きな野心があったのだろう。

スポンサーリンク



狡猾なピーターに撃たれ、生死不明となったヴィンセント。
最後にノーマンの名を呼ぶことでノーマンの友であろうとするのにはやめてくれと思った。だって土壇場で仲間に本心を言うのって明らかにフラグだもの……。

弾は心臓に当たったのか、それともかろうじて左肩に近い部分に当たり、一命を取り留めているのか。

この流れだと微妙だ。生きていても、そして死んでいてもおかしくないと思う……。
次回、オリバーたちがピーターたちを一掃し、生きているヴィンセントを救う、といった感じで上手くいって欲しいところだ。

スポンサーリンク



オリバーたちはピーターを仕留められるのか?

確かにピーターはエマたちを創ったといえる。
しかしそれはあくまで鬼の食料とするためだ。

エマたちに食用児としての運命を強いて、一人の人間として生きるという選択肢を一切与えないピーターが、自分のことを創造主(パパ)だと主張して怒り狂うのは理不尽極まっている。

ここがエマたちの正念場となる。

事態打開のカギを握っているのはラストで出てきたオリバー班だ。
ラストは彼らが完全にピーターを追い詰めたように見えるが、ここからピーターが反撃を成功させることなどあり得るのだろうか。

オリバーたち圧倒的有利のままピーターを討ち取ってめでたく勝利、とは思えない……。
なんだか、エマとピーターが対峙するシーンが脳内に浮かんで消えてくれないんだよなー。
それはつまり、オリバーたちがピーターを仕留め損なうということ。

もしラストの場面から、もうひと悶着あるとすれば一体何が起こるのか。

前回第168話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

スポンサーリンク



第169話 満点

ピーターへの怒り

オリバーはピーターに銃を突きつけながら、この男こそ食用児を生み、食用児にまつわる全ての不幸の元凶であるという怒りを抑えるのに必死だった。

しかしピーターはそんなオリバーに、自分がいたからこそ生まれた以上、自分は食用児にとっては父であり創造主だと主張する。

父という単語から、オリバーは自分たちを育てたルーカスのことを思い出す。

「跪け ピーター・ラートリー」
オリバーは怒りに顔を歪ませながら言い放つ。

ザック、ジリアン、アイシェ。アイシェもピーターに銃を向けている。

スポンサーリンク



ハヤトのお手柄

ヴィンセントの容態を確認したドンは、彼が苦しそうにしながらも、意識ははっきりしていることにほっとするのだった。

「よかったぁ…」
涙を浮かべて喜びを噛み締めるハヤト。

ハヤトは、は端末操作のために残るヴィンセントとナイジェルから、退路の確保とここに残る二人が逃げ遅れたらここには戻らずにオリバーたちに合流するようにと指示されていた。

指示通りにオリバーたちの元に向かっていたハヤトは無線の情報から、ヴィンセントたちがピーターに制圧された事を知る。
オリバーたちも捕まったと知ったハヤトはどうしたら良いか一瞬迷う。
しかしすぐにオリバーたちの元に急ぎ、オリバーたちを制圧していた兵を飛び蹴りで吹っ飛ばし、オリバーたちが自由になるきっかけを作ったのだった。

スポンサーリンク



ヴィンセントはハヤトに、グプナが出来なくなるリスクを避けるために即死することはないという目論見があったと言いつつニヤリと笑う。
「ありがとう 助かったよハヤト」

ノーマンとレイもまた兵を返り討ちにしていた。

ノーマンはドンに無線を返す。
「本当に胆を冷やしたよ ヴィンセント」

スポンサーリンク



余裕のピーター

すでに施設内の鬼は無力化されていた。

ピーターは後ろ手に縛られ、銃を持ったエマたちに囲まれて跪いていた。

お前の負けだ、とピーターに言い放つノーマン。

それを聞いてピーターは笑う。
「馬鹿らしい 僕を殺して何になる たとえ僕が負けても依然君達に退路はなく勝ち目もない」

エマは、システムを再び落としたので誰もピーターを助けにこないと返す。

「誰も助けに来られない? あとは僕だけ? はて」
ピーターには一切うろたえる様子はない。
「君達何か忘れていないか?」

スポンサーリンク



フルスコア

レイは自分の背後、廊下の奥から誰かやってくる気配に気づく。
それは自分たちに銃の照準を合わせているシスターだった。

シスターの数は数十人に増えて、エマたちを取り囲んでいく。

あまりの展開に愕然とするエマたち。

ロックを外したのか、とヴィンセント。

靴音を立て、誰かが悠然と近づいてくる。
それはイザベラだった。

エマに銃を突きつけるイザベラ。

しかしエマは真正面からイザベラを見返す。

スポンサーリンク



「お外は楽しかった? エマ 破壊の限りを尽くしたわね」

「抗って 抗って 抗って 抗って」

「どれだけ足搔いても最後には必ずこうなるのに」

「また絶望はやってくるのに」

「あなたは あなた達は戻ってきた」

「懲りもせず」

「これがその結果」

死刑宣告を読み上げるかのようなイザベラのセリフに、ピーターは笑っていた。

スポンサーリンク



「すばらしいわ あなた達全員 満点よ」
そう言ってイザベラは銃の照準をエマからピーターに変更する。

それを合図としたかのように、シスターたちも一斉にピーターを銃で狙う。

「……は?」
あまりのことに唖然とするピーター。

「え」
エマたちもピーターと同様、驚いていた。

「貴様……裏切ったなイザベラ…!」
事態を把握したピーターは怒りを剥き出しにしてイザベラを睨む。

イザベラはそんなピーターの視線を全く意に介さず、真正面から見返していた。

スポンサーリンク



第169話 満点の感想

まさに満点。
このイザベラの賞賛は心の底からの評価だと思う。

自分達を長年育ててくれた施設が実は自分たちを鬼に食料として提供するための農園だったと気付き、脱走するために知恵を巡らせて、脱走後は鬼の脅威に晒されながらも2年間サバイバルしてきた。
そして極めつけは王と五摂家を倒すという快挙。

単に食われるだけの運命だったはずの食用児としては出来過ぎだと思うわ。

ピーターを裏切ったのは、戦況がピーターたちよりエマたちの方が優位になったからなのか。もしピーターを追い込んでいなかったらイザベラたちは立ち上がらなかったのかな?

スポンサーリンク



おそらく元々イザベラやシスターたちも食用児システムを憎み、食用児として生まれた自らの運命を嘆いてきた。

全ては生きるため、忠実にピーターや鬼たちに従ってきたが、いつかこうして立ち上がってラートリー家を打倒する機会を窺っていたのではないか。

エマたちが負けそうになっていたらピーターを裏切っていなかったのか……。
いや、多分エマたちが負けそうになっていたとしても、シスターたちは自分の命をかけて助けたんじゃないかな。
ここで立ち上がらなかったら一生この状況から抜け出す事は出来ないのはもちろん、子供を守るために立ち上がることは、たとえ死んでしまったとしても、人間としての気持ち良い生き方だと思うから……。

てエマたちがピーターたちにほぼ勝利したといえる瞬間は、イザベラたちが反撃するのに最適のタイミングだったわけだ。

スポンサーリンク



完全に虚を突かれた形になったピーターだけど、まだ逆転に繋がる手は残されていると思う。
それは今まさに処刑されようとしているソンジュとムジカ。

彼らを人質にとってエマたちに色々と要求してくるのではないか。

ソンジュとムジカを犠牲に出来れば、エマたちの勝利は確定だ。
しかしエマたちにはそんな冷徹な決断はできないだろう。ましてや自分たちの命の恩人と言える存在なんだからますます見捨てることなんてできない。

果たしてソンジュとムジカの運命は? エマたちはこのままピーターに勝利できるのか?

以上、約束のネバーランド第169話のネタバレを含む感想と考察でした。

第170話はこちらです。

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA