視聴完了。
結構飛ばしてきたなー、という印象を受けた。
原作第3巻のほぼ全編か……。
具体的には、原作第12話の途中から第18話が終わる直前くらいまで話は進んだ事になる。
ただ、アニメを見ていて違和感は無い。
上手い事構成しているんだろうな、と思った。
それに、飛ばしたシーンであっても、第6話で以降で拾う事もあるかもしれない。
第4話の感想記事はこちら。
目次
第5話
間島家の過去はしっかり描写
重要なエピソードだからここはほぼ原作通りだった。
子供の頃の間島がかわいい。
間島兄は真と同じように子供が声優やってるのかな。にしては異様に上手く感じた。
大人の声優がやってるとしたら職人芸だと思う。
間島、加藤、迫の会話もほぼ原作通り
ここらへんのやり取りが好きなので嬉しかった。
細かい事だけど、加藤の「俺は佐河さんとの付き合い方を見直すよ」からの一連のセリフが省かれていたのは別に本編には何の影響も無いけど個人的に引っかかった。
加藤の主体性が見えて、頼りがいを感じさせてくれるシーンだ。
直前の、間島に対する「協力したら一回ぐらい~」のとぼけたやり取りを平気でする加藤のお茶目な面との落差が好きなんだよなぁ。
その後、間島が面食らうシーンまではきっちりアニメでも表現されていた。さすがにここは外せない。
結局、加藤はじいさんの瞬間移動で一緒に飛んできた樹里により止界から追い出される。
原作を読んでいた時はこの展開に驚いた。
これからどう動くのか楽しみだった加藤をアッと言う間に退場させてしまう予想外な話の流れにより、ますます先が読めなくなったんだった。
アニメでも加藤は退場する。きっちり彼の仕事を果たしてくれたということか(笑)。
じいさんと樹里の必死感が足りないような……
奇襲が成功し、加藤を止界から追い出す事に成功した樹里とじいさんは、迫から瞬間移動で逃げる。
アニメでは迫はナイフでじいさんと樹里を襲っている。
ナイフが振り下ろされると同時に瞬間移動で逃げている。
原作では樹里とじいさんは垣に身を隠しながら必死に呼吸を整える。
そして奇襲が上手くいった安堵半分、危険に飛び込んだビビリ半分といった様子で、うまくいったじゃん、と強がる樹里に、じいさんもまた同様の様子で、こんなの通用するのは最初だけ、と返す。
そして樹里は真剣な表情で、お兄ちゃん(翼)が真を連れて戻るかもしれないから家を絶対になんとかしないと、とじいさんに向かって確認するように言う。
このシーン。
アニメでは、樹里もじいさんも真剣な表情を浮かべて後に続くセリフを言うだけだったのが個人的には結構気になった。
一般人が得体のしれない異常な組織の人間を相手に戦うのだから、原作のような、どこかコミカルチックな、しかし必死な感じが欲しかった。
ちなみに樹里が言うはずだった、翼と真が戻るかもしれないから家は絶対に何とかしないと、というセリフはアニメでは樹里の代わりにじいさんが言う。
樹里は黙ってそれを聞くのみ。
樹里が原作の28歳よりも若い22歳という設定の影響かな、と思う。
アニメ第1話でも本来樹里が言っていたはずのセリフをじいさんが言うシーンがあったから、その流れからするとこれは一貫性に繋がるから自然だと言える。
原作だと歳相応に周りの事を考えた上で動いている樹里だが、アニメだと、もちろん家族の事は考えているが感情的に前に出る姿勢が強くなっているように感じる。
インタビュー記事で読んだけど、樹里の22歳設定は視聴者ターゲットが20歳前後だから共感を得やすいように、という事だった。
樹里の行動や発言を、原作の28歳時よりも衝動的に描くようにしたんだろうな。若さの表現としては納得できる。
そして、樹里からオトナ成分を受け継いだ分、じいさんは原作よりもデキる老人になっている(笑)。
自分は、これを良い悪いとかではなく面白いと思った。
それに、どうしても尺の問題から逃げられない以上、削られる部分があるのはしょうがない。
どうしようも無い部分を惜しんでも意味が無い。
ただ、死線を越えたじいさんと樹里がぜぇぜぇ息をつくような、一般人としての説得力、必死感は出して欲しかったな……。
瞬間移動で敵の懐に飛び込むという下手したら死ぬかもしれない思い切った賭けをして、何とか切り抜けたんだから。
原作が支持を得たのはストーリー展開はもちろんのこと、人となりを暗に表現するようなしぐさの一つ一つの丁寧な描写と、その積み重ねによる部分も大きいと思う。
そうすると、よりリアルな人間を感じられるから。
今、連載中のゴールデンゴールドも細かい人物描写を決しておろそかにしていない。
このディティールの丁寧さは、堀尾先生の強みなんだと思う。
アニメでもそれを観たいし、今後も期待したい。
貴文の佐河評→じいさんへの文句は最低限に
佐河と家長同士の手打ちとなり、貴文は樹里とじいさんを説得すべく、実愛会の入口でイスに座って二人を待つことになる。
貴文は自身にお菓子を差し入れてくれた佐河が実愛会の建物の中に入っていくのを見ながら、「一部の人間は惹かれるんだろうなああいうのに。俺は好きじゃないが」と心中で佐河に対する印象を吐露する。
そして、その後に続く止界術の存在を何故黙っていた、という疑問から延々と主にじいさんへの愚痴へと繋がっていく。
アニメでは佐河評の下りはほぼ同じだが、それ以降の長々としたほぼじいさんへの愚痴の代わりに、家族の置かれた苦境をじいさんに転嫁する。
真に関しては「まあ真はかわいいけどね」というのみでほんわかした(笑)。
貴文も、このどこかにいそうな人間くささが好き。
ちなみに、佐河が差し入れたお菓子は原作では小袋パックされた柿の種だが、アニメではチョコレートになっている。
佐河への報告に実愛会へ出向く間島と迫
佐河の「意外に早かったな 残念だ」はもっと心から残念そうに言って欲しかったな~。
原作の方が遥かに狂気を感じる。
佐河は探求心の末に狂った悪役。
アニメは感情が一定で底知れなさは感じるけど、やはり感情を出して佐河らしさをもっと深く表現して欲しかった。
佐河が見せる表情の中では珍しい、とても印象的なシーンなだけに残念。
ただ、その佐河の発言を聞く迫は原作通り。雇い主であるはずの佐河に対してきちんと底知れぬ狂気を感じている。
間島の「神ノ離忍が一体とは限らない」という発言を受けての佐河の表情も物足りなかった。
原作では間島の説を聞いて「面白い」と笑顔を見せる。
その表情がまた狂気に満ちていてたまらない。
そして、再び神ノ離忍呼び出し実験に柴田を誘うが、原作だと明らかにテンションが上がっている。
これも心から検証を楽しむ研究者としての側面を表現していると思う。
アニメでは全くテンションに変化は無い。寂しい(笑)。
神ノ離忍が消えたあと、潰された柴田の頭を前に座り込む佐河が呟くシーンは第6回かな。
3体の神ノ離忍!
柴田の頭を吹っ飛ばし、その頭を別の神ノ離忍が握りつぶす。
この流れが忠実。アニメだとこんなスピーディになるんだなぁ。恐ろしい。
神ノ離忍の力強さを感じた。
樹里とじいさんの貴文を助ける前の描写
ここらへんは緊張感がありながら、しかしコミカルな部分だから観たかった。
アニメでは、間島と迫が会話している際に貴文を引っ張る樹里とじいさんの姿を目撃するところから始まる。
帰宅した翼と真
前回、実愛会の信者下坂がスーパーで翼と真を発見し、佑河家まで二人の後をつけていた、というのは良いアレンジだと思う。
原作では下坂は佐河に命じられて佑河家に向かう。
そして下坂が離れで神ノ離忍を拝んでいると、帰宅する翼と真に気付き気配を消す。
このあたりの下坂は非常に不気味に描写されており、翼と真にひたひたと迫る危機によって緊張感があるシーンだった。
アニメでは下坂のキャラデザインや性格に人間味が感じられるような変更がされている。
離れの風呂場にメモを残したのは混乱させないようにという配慮かな。ダイニングに残したメモも同じくアニメオリジナル。
下坂の襲撃を受け、包丁を受け出血する翼の運命は、というところで第5話が終了。
引きが上手い。
エンドカードは弘兼憲史先生
島耕作が本石を持ってる(笑)。
これは予想外だった。次は誰なのか楽しみ。
第6話へ
瞬間移動しようと何故か幅跳びを頑張る貴文を放っておいて、樹里とじいさんが会話するシーンも削られているが、第6話で観れるかもしれない。期待したい。
あと、翼が包丁喰らって終了というのは引きが上手いな~と思った。
第4話の時も思ったけど、さすがはプロの仕事だわ。
これは、原作を知らない視聴者であれば気になって仕方ないだろう。
どうなるかはネタバレせずにこの記事を終わろうと思う。
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