毎日新聞で長期連載されていた西原理恵子先生の漫画「毎日かあさん」。
この度、なんと足かけ約16年もの長期連載という大偉業を成し遂げ、めでたく大団円を迎えた様子がビッグコミックスペリオール2017年14号の「ダーリンは72歳」の64話にて描かれている。
といってもこの「ダーリンは72歳」はどこまでいってもギャグ。
毎日かあさんに関する言及は最初の一コマ目で担当編集者らしき人からの「おつかれさま」に西原先生が「ありがとう」と答えるあっさりとしたやりとりのみ。
そのあとに続けて「次回作は?」と問われた西原先生が「毎日かつや」と答えてまためくるめく高須先生とのギャグが始まるのだった。
正直「毎日かつや」は高須先生のツイッター見てるだけでもかなり満足感があるのだが、是非西原先生のツイッターで一コマ漫画で実現してくれたら嬉しいところだ(笑)。
クローズアップ現代+に出演した西原先生
2017年6月26日22時からのNHKクローズアップ現代+で西原理恵子先生はゲスト出演。
ご自身の二人の子供が共に18歳を超え、もはや母としての役目を終え、これからは何でも子供の世話を焼くのではなく、むしろ同居人に近いスタンスで子供と付き合うという「卒母(そつはは)」宣言が取り上げられた。
西原先生は、子供に稼ぐ力を身につけさせることの重要性を視聴者への強いメッセージとして説く。
稼ぐ力の重要性を痛感したのは、ご自身の経験に基づくものだった。
若い頃、上京、そして一人暮らしと同時にロクに稼がない男性と同居した西原先生。
月30万円を稼ぐことを目標にイラストの仕事と並行して別の仕事もこなし、コンスタントに目標金額を稼ぐことができるようになった頃、自分に大きなゴミ……稼がない男がいることに気付き、すぐに別れたという。
西原先生は、そもそも、ご自身が稼げていなければこの男からは逃れることが出来なかった、と当時を述懐する。
稼ぐ力の重要性を身に染みて体得していることから、子供が稼ぐ力を身につけるために必要なお金は全て出すという。
失敗して当然
失敗することもある、いや、むしろ失敗するだろうけど、と決して子供を追い詰めることなく、稼ぐことへのフォーカスを合わせて生きることを奨励する西原先生の言説には賛成だ。
親はとにかく子供に勉強しろと言う。
しかしその理由を「稼ぐ力を身につける為」とブレることなく明確に答えることが必要なのかもしれない。
とかく「良い大学に入る為」「良い会社に入る為」「良い仕事に就く為」「仕事の選択肢を広げる為」など間違ってはいないが子供の心にイマイチ響かない回答を行う大人は少なくないだろう。
そんな簡単なものではないのは分かるが、「稼ぐ力を身につける為」に学ぶのだと定まっていれば、子供ももう少し当事者意識を以って学ぶことが出来るかもしれない。
大切なのは、稼ぐことの重要性と稼げないことによる不自由さ、そして悲劇を同時にリアリティを以って語ることが出来るかどうか。
子供がそれを受け止めて当事者意識を持つことが出来るかだろう。
「西原先生はヒット作を出していてお金持ちじゃないか」「そもそも普通の勤め人には子供に出してやるお金の余裕がない」と反発する人がいるのは分かる。
しかし、そこに文句を言ったってしょうがない。
金銭的問題は各人で何とか対処していくのみ。
人間、結局は今、自分が持っているカードで勝負するしかないのだ。
西原先生おつかれさまでした。
引き続き、連載頑張ってください。
コメントを残す